「記憶にございません!」のレビュー、感想など [国内映画]
三谷幸喜監督の映画「記憶にございません!」初見ですが、感想を書きます。公式サイトにはある程度ストーリーが載っていたのでネタバレもしますが、三谷監督のブログを読むと撮影秘話やカットシーンなど情報があり、映画館へ行く前にご覧になるとなお一層、お笑いの取りこぼしがないかと存じます。
■三谷幸喜公式ブログ「ここだけの話」
◇あらすじ
史上最低の支持率を叩き出した国民から最も嫌われている悪名高き黒田総理がとある演説中に剛腕大工の一振りによってこぶし大の投石攻撃を受ける。
SPがいるにもかかわらず、黒田総理の脳天に直撃、そのまま病院送りに。
気が付くと、自分が何者かも分からずパニックに陥り病院を脱走。SPや取り巻きを振り切りパジャマ姿で夜の繁華街をウロウロ。通りすがりの酔っぱらいに因縁をつけられ、食堂のテレビで自分が横暴な態度をとる国会中継が放送されると・・・。
警察官に補導されSPにも見つかり公邸に強制連行される。そして医師から小学生以降の記憶を失っているようだと告げられる。
いままでとは全く異なる委縮した黒田総理を見て、首相秘書官は「現職の総理大臣に記憶がないことが公(おおやけ)になる事は問題になる」としてこの部屋にいる医師、事務秘書官、秘書官補のみの極秘扱いに。病院を脱走し出会った国民や警官にも徹底したかん口令を発令。
家族や世話係、SP、官房長官や各大臣、世間にも知られずにやっていけるのか。優しくただの人となった黒田総理の波乱万丈がここから始まる。
■映画「記憶にございません!」公式サイト
感想は大いにネタバレも含まれるので、楽しみにしている方は、ここ以降は映画視聴後ご覧ください。
矢口史靖「スウィングガールズ」を今更観てみる [国内映画]
矢口史靖作品は面白いと思う。「スウィングガールズ」も吹奏楽部やジャズ好きにもおススメしたい。2004年の作品だが、女子高生役には上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ等々、高校生役にも平岡祐太、高橋一生、高橋一生等々、先生役に竹中直人、白石美帆等々、他にも小日向文世、渡辺えり子、大倉孝二、佐藤二朗、谷啓、田中要次、江口のりこ等々とにかくキャストだけ見ても先駆者とルーキーのガチンコバトルだと思う。
メインはもちろん最終盤の演奏シーンで、出演者が実際に演奏しているというから驚きだ。
シーンは次々とテンポよく進んでいく。お笑い方向に向いているのかみんな演技がオーバーリアクションぽく感じるし、キャラクタ設定が濃いので、一息つくようなシーンが少ない。
舞台は東北の田舎町という設定から、みんなのなまりが濃いのが今では観られないだろうしレアだと思う。
< 個人的におすすめなシーンを紹介。>
- 一見優等生のような関口(本仮屋ユイカ)の控え目ながら、うれしそうに何度も中村(平岡祐太)にリコーダーを向けるシーンも秀逸だ。
- 中村が雪を投げつけられ、仕返しに友子(上野樹里)を追いかけるシーンがある。木の間を障害物のようにして逃げる友子が転んでしまい動かなくなる。追いつく中村に不意に仰向けになりじっと真顔で上を見つめる友子の顔のアップ。若い。
- 途中イノシシに追いかけられ、今でいうストップモーションを地でゆくカットがなんといっても最高だ。
あきらかに作り物のイノシシを効果的にムービー化した斬新さ、かつ必死の中にも面白カットを割り込ませる笑いのエッセンスがこの作品の醍醐味だと勝手に解釈した。
本作ではスウィングガールズとしての演奏シーンがある。最後はど派手に会場を沸かせるがそのメイキングシーンなどを収録したスペシャルエディションや、演奏シーンを収録したサントラCDなど本編には入りきらなかったコンテンツもあるので、是非チェックしたい。
映画データ
監督、脚本:矢口史靖
ジャンル:国内映画、学園
販売元:東宝
スウィングガールズ公式ガイドブック Swing a gogo!!
- 作者:
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本